logo

乳癌の抗がん剤治療について

乳がんの患者さんの場合の抗がん剤を実施するか?ホルモン療法単独で行くか?で、かなりQOLに差が出ますが、どうやって?判断しているかと言いますと、免疫組織学的検査で実施しているのが現状です。
じつは、これがきわめて判定が曖昧なんです。
まず、免疫学的組織検索で、Ki67の判定は14%以上で陽性かどうかなんですが?この判定がまたかなり主観的なんです。つまり判定者によりバラツキがあり、エストロゲン陽性者で、Ki67が、14%か?15%かの違いで、ルミナルA/Bに分類されますので、きわめて主観的な判断で、ホルモン療法単独か?ホルモン+抗がん剤の判定となっているわけです。
ところが、遺伝子検査は、客観的な指標ですので、マンマプリントを用いると、ルミナルB=つまり抗がん剤を必要と判定された例の54%をローリスクと判定するため、抗がん剤は不要であることがわかります。トリプルネガテイブは、100%抗がん剤を実施しますが、実は5%はローリスクであることがわかってきています。
標準治療は、免疫組織学的検査で判断した治療を実施しますが、遺伝子による解析結果と大きく異なり、無駄な抗がん剤を実施しなくてすむ人が大勢いるということです。
昭和大学の明石先生の記事がわかりやすいので、一度、乳がんの患者さんで、抗がん剤を受けるべきかどうか?悩まれている患者さんは読まれることをお勧めします。https://cancer.qlife.jp/breast/article98.html