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セルフチェックで気になる胸のしこり。乳がんと間違いやすい4つの原因とは

セルフチェックで乳がんの有無を確認する際、特に気になるのが「しこり」の存在です。乳房のしこりは乳がんの代表的な症状の1つではありますが、だからといって必ずしも乳がんと断定できるわけではありません。月経の周期によってしこりの大きさ、硬さが変わる場合は乳がんではない可能性が高いのです。今回は、胸にしこりが発生する代表的な4つの原因について解説します。

「乳房のしこり=乳がん」ではありません

冒頭でも説明したとおり、乳房に発生したしこりのすべてが乳がんの症状というわけではありません。一般的に乳がんのしこりは柔らかくて触るとよく動きますが、それ以外の病気によって発生したしこりはゴツゴツとした感触で、堅くてあまり動かないことが多いとされています。

さらに病気以外の理由でも、「卵胞ホルモン(エストロゲン)」や「黄体ホルモン(プロゲステロン)」という生理周期によって分泌量が変わる女性ホルモンに伴い、しこりや痛みを感じることも珍しくありません。
乳がんと間違いやすい病気としては「乳腺炎」、「乳腺症」、「乳腺線維腺腫」、「葉状腫瘍」の4つが代表的です。その症状などについて紹介します。

乳がんと間違いやすい病気1:乳腺炎

乳腺炎は、主に授乳期の若い女性に多く見られる乳房の「しこり」の原因です。乳管という母乳を運ぶ管に母乳が詰まってしまう(うっ滞)ほか、細菌感染によって乳腺が炎症を起こしてしまっている状態であり、乳がんとは関係はありません。

また、しこり以外の症状としては痛み、膿、発熱などが伴うこともあり、重症化すると乳房を切開して溜まった膿を取り出す必要があるので、乳がんでないとしても早めに乳腺外来などで専門医を受診する必要はあるでしょう。通常は抗生物質による治療で完治が望める病気です。

乳がんと間違いやすい病気2:乳腺症

乳腺症はホルモンバランスの変動によって乳房に「張り」や「痛み」、そして「しこり」を感じることがある良性の変化の総称です。また、乳腺症は授乳中や30~40代の女性に多く見られる傾向があります。

乳腺症によるしこりは、一般的に女性ホルモンの分泌が強まる生理前に大きくなり、生理後は縮小して目立たなります。人によっては長期間症状が続くほか、生理前になっても症状が出ない月もありますが、しこりを感じたときは慌てて乳腺外来に駆け込むのではなく、まずは落ち着いてその時の自身の生理周期を考えてみましょう。

■乳腺症の症状
・乳房の張り
・乳房の痛み
・乳頭からの異常分泌

月経周期と関係ないしこりや乳頭から血が混じった分泌物が見られる場合は、乳がんである可能性もあるので早急に乳腺外来を受診しましょう。また、乳腺症によるしこりの可能性が高くても、しこりを感じたのが初めての場合は、そこに病気が潜んでいる可能性もあります。自身の不安を取り除くためにも受診することをおすすめします。

乳がんと間違いやすい病気3:乳腺線維腺腫

10代後半~20代を中心に、40代までの幅広い年齢の女性に見られる乳腺の良性腫瘍が「乳腺線維線種」です。腫瘍は楕円形で良く動き、大きさは2cmほどのことが多いです。女性ホルモンバランスの影響で発症するとされていますが、明確な原因はまだ分かっていません。
一般的には思春期以降に発症し、腫瘍は数年単位で時間をかけてゆっくりと大きくなる傾向があります。30歳を過ぎると拡大が止まり、閉経すると自然消滅するケースが多いです。

通常、乳腺線維腺腫によるしこりは乳房以外では発生しません。そのため、脇の下など乳房以外にしこりが見られたり、異常分泌液の発生、乳房の皮膚の引きつれといった症状がある場合、乳腺線維腺腫ではなく乳がんの可能性があります。
乳腺線維腺腫は経過観察が中心となりますが、前述したように良性腫瘍のなかに悪性のがんが隠れていることがあります。しこりを発見した場合は一度、検診を受けることをおすすめします。

乳がんと間違いやすい病気4:葉状腫瘍

葉状腫瘍の症状は乳腺線維腺腫に非常に良く似ており、主に乳房に良性腫瘍が発生します。また、しこりが小さいうちは、針生検などでは乳腺線維腺腫と見分けられないこともあります。ただ、ゆっくりとしこりが大きくなる乳腺線維腺腫と比べると、急激に大きくなるのが特徴であり、セルフチェック時に不安に感じる人が多いです。

前述のとおり、そのほとんどは良性であるものの、なかには悪性のものもあります。また、再発を繰り返すうちに悪性化することもあり、早めの検診による正しい診断と必要に応じて病変を切除する手術を受けるケースもあります。

早期検査・早期発見・早期治療が命を守る

乳がんと間違いやすい4つの病気について紹介しました。しこりは乳がんの代表的な症状の1つではあるものの、そのすべてが乳がんというわけではありません。ただ、本文中にも記載しているように「しこりがあっても検診しなくても良い」というわけではありません。乳がんで最も大切なのは早期検査・早期発見・早期治療です。定期検診はもちろん、しこりを含めて乳房に違和感を感じた際は、まずは乳腺外来などの専門医に相談することをおすすめします。