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乳がんは「健診」では不十分?検診との違いと乳がん検診の内容とは

乳がんは早期発見・早期治療が重要であり、そのためには適切に「検診」を受けることが欠かせません。一方、乳がんなどの病気について意識する機会が少ない人のなかには「健診」と「検診」の違いがあまり理解できておらず、「健診を受けていれば十分なのでは?」と考えている方もいるかもしれません。

そこで今回は「健診」と「検診」の違いや種類、乳がん検診を受ける頻度や対象者などについて解説します。この機会にぜひ両者を受診する意義を理解して、乳がんの早期発見・早期治療につなげましょう。

健診と検診の違い

健診とは「健康状態を調べる」という意味です。基本的には1年に1回のペースで職場などで受ける「一般健康診断(定期健康診断)」を指すケースが多いことも覚えておきましょう。ちなみに一般健康診断は、労働安全衛生法によって労働者が年1回、受けなければならないことが義務付けられています。また、原則、以下の項目の健康診断を行うことが義務付けられています。

■一般健康診断の項目
1.既往歴、業務歴の調査
2.自覚症状、他覚症状(所見)の有無の検査
3.身長、体重、視力、腹囲、聴力(1,000 4,000Hz)の検査
4.胸部X線検査及び喀痰検査
5.血圧測定
6.貧血検査(Hb、RBC)
7.肝機能検査(GOT、GPT、γ-GPT)
8.血中脂質検査(TG、HDL-cho、LDL-cho)
9.血糖検査
10.尿検査(糖、蛋白)
11.心電図検査(安静時)
※出典:厚生労働省「一般健康診断の項目一覧表

健康診断は、基本的な項目をチェックすることによって体全体の調子を確認し、数値が悪ければ改善もしくは後述する「検診」につなげて、病気にならないようにすることが主な目的です。また、予防医療における「一次予防」と同義であることもぜひこの機会におぼえておきましょう。

乳がん検診は二次予防

乳がん健診は健康診断とは異なる「二次予防」に該当する目的で行われます。まずは一次予防と二次予防の違いを確認しましょう。

予防方法 概要
一次予防 健康増進
疾病予防
特殊予防
生活習慣・環境の改善
健康教育
予防接種
事故防止
健康診断
二次予防 早期発見
早期治療
適切な医療と合併症対策
人間ドック
各種検診
早期治療による重症化の予防

健康診断と検診の大きな違いは、検診は「特定の病気についてより細かく調べて早期発見すること」であり、その代表的なものの一つが「がん検診」なのです。また、がん検診といっても乳がんをはじめ、胃がん、大腸がん、肺がんなど個別に項目が設けられている以外にも、全身のがんリスクを調べる検診もあります。いずれも健康診断と比べると高度な技術や医療機器を用いて検査し、病気の早期発見・早期治療につなげることを目的としています。

がん検診の種類と目的

がん検診には「対策型がん検診」と「任意型がん検診」の2種類に大別されます。大きな違いは、対策型がん検診は市町村などの自治体が公共的な予防対策として実施し、任意型がん検診は検査を受ける人の自己判断で行います。対策型がん検診の対象は胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がんであり、対象者は住民検診や職域検診で受けることが可能です。

対策型・任意型のいずれも「任意」であることも健診と異なる点といえるでしょう。特に任意型がん検診においては、受診する医療機関・検査機関や受ける頻度なども自身で選択しなければなりません。国立がん研究センターが運営するがん情報サービスでは「科学的根拠が確立した」検診を推奨し、厚生労働省は各部位ごとのがん検診の受診間隔を公表しています。

今回は、読者の方に関連深い「乳がん検診」と「子宮頸がん検診」の内容を以下でまとめたので確認してください。

■国が推奨するがん検診の一覧

種類 検査項目 対象年齢 受診間隔
乳がん検診 ・問診
・マンモグラフィ(視診・触診の単独実施は推奨しない)
40歳以上 2年に1回
子宮頸がん検診 ・問診
・視診
・子宮頸部の細胞診
・内診
20歳以上 2年に1回
・問診
・視診
・子宮頸部の細胞診
・内診
30歳以上 2年に1回
・問診
・視診
・HPV検査単独法※4
(住民検診のみ。厚生労働省が示す要件を満たす自治体に限り実施可能)
30歳以上 5年に1回

※出典:厚生労働省「職域におけるがん検診に関するマニュアル

定期的な乳がん検診で早期発見・早期治療につなげましょう

一次予防と二次予防の目的のほか、義務の有無、調べる内容など健診と検診には大きな違いがあります。基本的に健診を行うだけでは乳がん検診を行ったとはいえません。「40歳以上の女性」は「2年に1回」のペースで、「科学的根拠が確立した乳がん検診」を行うことで早期発見・早期治療につなげられます。乳がん検診を適切に受けることで将来的な身体的、心理的、経済的な利益を守ることにもつながるので、ぜひ正しく受診することをおすすめします。

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